一輪奏

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オール・アバウト・マイ・マザー Todo sobre mi madre

タイトルから、息子が母のことを語る映画かと思っていたら、息子は早々に死んでしまいます。息子のエステバンを失ったシングルマザーのマヌエラは仕事を辞めてバルセロナへ行き、かつての友アグラードと再会。そこで若い修道女ロサと知り合い、エイズに感染し妊娠したという彼女の世話をすることになります。女の体を手に入れた男、その男の子供を身ごもる修道女、薬物中毒の舞台女優―と、どこか「普通の」道から外れた「女」たちの人生とマヌエラの人生の糸が絡み始めます。

 知り合ったばかりのロサの面倒を見、これまた知り合ったばかりの女優ウマの付き人を務めることになるマヌエラ。さらにロサの子どもの父親が、エステバンの父親のロラと同一人物であり、その上ロラはアグラードと同様に女の体を手に入れていた…と、普通ならパニックになってもおかしくない展開です。

 そんな奇妙な人々と共振しながらも、振り回されることなく自分を保つマヌエラは、風に揺れながらも根と茎は変わることなく、空に向かって伸びる草のように、内面のしなやかな強さを感じさせます。ロサが「エステバン」と名付けた赤子を、マヌエラが引き取って育てるラストはとてもすがすがしい。派手な演出はなく、淡々とストーリーが進んでいきますが、見終わるとなぜかもう一度見たくなるという不思議な味わいを持った作品です。(2009年3月12日)

<1999年/スペイン/監督 ペドロ・アルモドバル/主演 セシリア・ロス>
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by stan-nak | 2013-04-23 19:54 | 映画 | Comments(0)

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