一輪奏

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5 主上三條殿に行幸の事 附たり官軍勢汰(せいぞろへ)の事

 安全のため、高松殿から東三條に移る後白河帝。

 帝は信西に義朝を呼ばせ、戦法を尋ねます。義朝は、

 「合戦の手立て様々に候へども、即時に敵をしへたげ、たちどころに利を得ること、夜討ちに過ぎたること候はず」

 と提案します。「新院側は南都の僧兵を援軍に呼んでおり、明朝にも京に到着すると聞きます。そうなってしまっては向こうが勢いづいてしまいますから、そうなる前に攻め入りましょう」とプレゼンテーション。

 これを聞いた信西は、

 「この儀もっとも然るべし。一向(ひたすら)汝が計らひたるべし。誠に先するときは人を制す、後するときは人に制せらると云へば、今夜の発向もっともなり」

 と、これに賛成。

 為朝の夜討ち案を却下した頼長とは対照的です。物分かりのいい上司というのがいかにありがたいかを痛感させてくれる場面ですね。

 さらに信西は続けて、

 「はやく凶徒を追討して、逆鱗を休め奉らば、まづ日ごろ申すところの昇殿においては疑ひあるべからず」

 と、昇進をちらつかせます。すると義朝はこれを聞き、

  「合戦の庭に罷り出でて、なんぞ余命を存せん。ただ今昇殿仕って、冥途の思ひ出にせん」

 と、ズカズカ昇殿しようとし、あわててこれを止める信西。

 「いくさには死ぬつもりで行くんだ、生きて帰ることなど考えていない。昇殿させてくれるというなら、今しておこうじゃないか」というわけです。

 これを見た後白河帝は「面白い男だ」と喜んだとか。

 というわけで夜討ち決行を決めた後白河陣営。そんなこととは露知らず崇徳院陣営は朝を待つ方針ですが、大丈夫でしょうか?
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by stan-nak | 2013-03-22 15:40 | 保元物語 | Comments(0)

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