一輪奏

ichirinso.exblog.jp

ブログ移行中。

第20回「前夜の決断」

今回描かれるのは、鳥羽院崩御の7月2日、8日、9日、そして保元の乱当日の10日という4日間。1話で2~3年進ませることが多かったことを考えると、保元の乱への力の入り具合が分かります。

鳥羽院の死に目に遭わせてもらえず、ずぶ濡れになって御所に戻ってくる新院。頼長も一緒です。(鳥羽院の臨終に駆け付けたら「先帝を呪詛した人だからダメ」とか言われて入れなかった、とかでしょうか。)兵を集めて権力を取り戻しましょう、と持ちかける頼長。

一方の信西は2人の動きを察知し(というか、それしか選択肢がなくなるように追い詰めた)、「悪左府様と上皇様にご謀反の動きあり!」と大声で宣言してしまいます。これはもう言った者勝ちで、「あっちが悪」という構図を作ってしまうのですね。

清盛邸でも作戦会議。「どうする?どうする?」という一門の前で、清盛は「どちらにも味方せぬ」。天皇方も新院方も平氏の武力がないと勝てないことを十分承知の上で、敢えてどっちつかずの態度を取り、恩賞をつり上げるというしたたかな作戦です。何やら急に棟梁らしくなったぞ、この男。

7月8日、いよいよ為朝が京に入ります。ここに至っても態度を明らかにしないじらし作戦の平氏に双方が苛立ちを募らせます。

清盛邸にやってきた信西。ショー・ザ・フラッグとかブーツ・オン・ザ・グラウンドとか言いに来たのかと思いきや、「帝がお呼びやさかい、ちょっと来なはれ」と呼びに来たのでした。

この後白河帝と清盛が対峙するシーン、非常に良かったと思います。青年の頃にはなかった落ち着きが清盛に生まれている。「合戦で力を発揮してみたって、お前らはしょせん武士なんだぞ」と後白河に言われても、うろたえて目が泳いだりしないのです。清盛が大きな男になっていると感じました。

7月9日。
合戦のため、伊勢から弟の忠直を呼び寄せた忠清。出たよ…殺されるためだけの人物が…。 なんかいたたまれない。為朝が新院方についたと聞いて平氏一門が動揺する中、清盛は「後白河帝につく」と宣言。今の世における武士の力を、帝が最も分かっているからだと。

しかし例によって冷静な頼盛は、「思い上がりだ」と反論。いくさは理念で戦うのではない。崇高なことを言ったって、負けては何の意味もないというもっともな言い分です。

清盛はその反論を受け止めながらも、単なる代理戦争に駆り出されるだけの戦なのか、これは?と問います。駆り出されているだけなら、そりゃ傭兵、犬だろう。そんなことをこれからも繰り返していくのか?そんなんでモチベーション上がんのか?というわけです。

しかし頼盛は、正妻の子。棟梁でこそないものの、嫡流の自負があります。すなわち、「自分には平氏を存続させる義務がある」という責任感。平氏全員で天皇方について負けたら――という危機感を覚えていました。

清盛一家は危険な洛中から避難。避難先まで源氏物語を持ってきている時子に重盛があきれ気味ですが、私もどこかに避難することになったら「平家物語」持っていくと思う。だから気持ちわかるよ、時子!(ちなみに以前「源氏」を読んでいた時は冊子だったので、今回避難先に持って来ていたのは絵巻でしょう。字だけの写本よりも絵巻のほうがレアでしょうから、時子は相当コアなファン)。のちに重盛と結婚する経子(子役)が初登場。

7月10日、戦の当日。
出陣する清盛・重盛・基盛を送り出す時子、なんとおめでた。この子が重衡なのか徳子なのかですが、1157年生まれの重衡でしょう。徳子の生年は55年とも57年とも言われていて、前者なら重衡の姉なのですが、このドラマではこれまで徳子が生まれていない以上、重衡の妹ということになるんでしょうね。

一方の義朝サイド。義朝が親兄弟と敵対することを憂える常盤ですが、由良は毅然として、存分に働くよう義朝を励まします。ここは由良の名場面でした。常盤が口に出した程度のことは、由良はもう1000回くらい逡巡してるんです。義朝・為義の亀裂を何年も目にしてきたんですから。でも自分がめそめそしていたら、義朝は思い切って戦えない。過酷な状況になるとしても、それも運命なのですから、腹くくって全力で立ち向かっていくしかないのです。

平氏サイドでは、新院方につこうとしていた頼盛を忠正が止めます。お前が裏切り者になれば、義姉上はどう思う?と問う忠正。

そして清盛のもとに到着した頼盛。忠正が来ないと知り動揺する清盛に、忠正からの言伝がありました。「お前とわしとの間に、絆などはなっからないわ」

血のつながった人物が一人もいない集団の中で育ったからこそ、清盛は一門という「血縁の結束」を大事にしようとしていました。その清盛が絆の有無を最も懸念していたのが、「お前なんか平氏じゃない」と言い続けていた忠正だったのでしょう。

清盛が思うより強く、絆はありました。それを、離反という形で伝えられたのです。

一人一人が苦しみ悩み、やがて一つの決断を下し、衝突します。苦しんだ末に覚悟を決めて戦いに赴きました。みんな全力だった。それが痛いほど伝わってくる回でした。始めから終りまで緊迫感に満ちていて目が離せない、非常に素晴らしい回だったと思います。

【今週のあっきー】
今週は源平がメインなので、何度か映ったものの台詞はなし。来週に期待。
[PR]
by stan-nak | 2013-03-13 11:57 | 大河ドラマ「平清盛」 | Comments(0)

ブログ移行中。


by stan-nak